
AGS FASに入社する前は2つの会計事務所で働いていましたが、どちらも月次の顧問先訪問や年次決算業務がほとんどで、たまにあるデューデリジェンス(DD)業務も、フォーマットに数字を当てはめるだけの仕事でした。個人としてスキルを高め、より広い世界を相手に仕事をしたいと考えたとき、選択肢に浮上したのがAGS FASです。組織再編やM&Aという業務内容が魅力的だったのはもちろん、面接で言われた「もし一緒に仕事をすることになったら、考えることに時間を使ってください」という言葉が印象的でした。それまでのキャリアでは手を動かすことやルーティンをこなすことに時間を取られていた中で、良いキャリアが積めそうだと思ったことを覚えています。実際に入社して、その考えは間違っていませんでしたね。

入社して間もなく、上場企業の財務DD案件にサポート役として関わり、そのうち税務関連の相談役も担当することになりました。当時は2~3人で案件を見ていたのですが、DDのスコープを絞りたいとのクライアントの意向もあり、「財務DDも税務DDも、私が1人で見ます」と提案したところ任せていただくことができたのです。税務を入り口に相手の信頼を得て、財務DDにも対応した結果、案件ごとに税務の相談をいただくケースも増えていきました。現在では、税務顧問やM&A案件ごとの財務DDだけでなく、何でも相談いただける関係を構築しています。税理士としての経験を生かしながら、税務にとらわれない活躍をしたい人にとって、AGS FASは最適な環境だと思います。
前職では、税務顧問だけをやっていて、月次訪問でも、税務の話だけをしていました。会計事務所から「顧問税理士です」とやってくるんですから、それは当然、クライアントも、税務について相談する相手として見ますよね。ですが、AGSは違います。AGSグループには、FAS、税務顧問、FAS、IPO、会計など様々なサービスラインがあり、クライアントもAGSのことを「ジャンルにかかわらず、なんでも頼れる総合ファーム」として見ています。そうすると、自分も「税理士」というよりは「AGSの人間」として見られるんです。その結果、税務に限らず、様々な質問や相談が寄せられます。FAS分野だけでも、財務DDも、バリュエーションも、FAも、あらゆる面で頼られ、それらに無我夢中で応えているうちに、自分の業務領域がどんどん広がっていきました。

公認会計士は、主に監査が必要な規模の大企業に向けて仕事をするじゃないですか。一方、税理士は、中堅・中小企業の経営者の方と膝を突き合わせて、相談を受けて、仕事をする士業です。国内企業のほとんどを中小企業が占める中で、そういうクライアントのことを一番よく理解しているのは税理士なんです。 日本経済を見ても、国内企業が力強さを取り戻していくためには、より効率化や集約化に取り組んでいく必要があり、M&Aがより求められる時代になっています。その中で、経営者の方々の隣に立って活躍できる人間は限られていて、その資質を持つのが税理士だと思うんです。ただ、その時に「税務だけ分かります」じゃ寂しいじゃないですか。「M&Aは、こういう局面でこういう税務以外の問題があって、こういう解決方法があります」と、全方位で対応できる、そういう活躍をする税理士が求められている。私たちはその期待に応えていくそれに自分たちがなるべきだと思います。今後、M&Aがさらに活発化していく中で、視座を高く持って、「税理士が貢献できるのは税務だけじゃない」と言いたいですね。

クライアントには大企業も多く、扱う金額も大きくなる以上、プレッシャーが伴います。ある案件では、譲渡側のアドバイザーとして関与したところ、相手方は誰もが知る世界的に有名な小売業グループで、アドバイザーもいわゆるBIG4でした。しかし相手方が提示してきたスキームには税務上のリスクがあったのです。そういう大きな相手が「今までもこのスキームでやってきた」と主張してきても、交渉を重ねることで、結果的にリスクを受け入れさせて、補償条項に盛り込むことができました。プレッシャーを乗り越えて打ち勝つことが己の成長につながり、会社にとってもノウハウとして蓄積していくことが、この仕事の醍醐味だと思いますよ。もちろん、クライアントからの評価が何よりの勲章です。
今の自分のポジションは、税務ディレクターです。同等のポジションは他にも何人かいますが、税理士出身のディレクターは自分だけです。なので、自分が、「AGS FASにおける今後の税理士のあるべき姿」を示したいと思っています。AGS FASの良さというのは、M&Aに関するあらゆるサービスを一気通貫でできることです。そうなると、AGS FASの税理士は、税務スキルが高いに越したことないけれど、それ以上に「税理士だけど、M&A全般に関与して活躍する」ことが、あるべき姿なんじゃないか、と。自分自身、まだまだ足りない部分があると思っていますが、今まで税務をフックに横に仕事の幅を広げたことで、クライアントの信頼を得られて、名指しでリピート依頼をいただくことも増えるようになりました。税務にとどまらない幅広い業務を手掛けるというのは、バランス感覚や様々なものが求められ、簡単なことではありません。でも、AGS FASであれば、チャレンジができます。チャレンジして、到達することによって、クライアントの信頼がさらに得られるということを伝えたい。その姿を見せるのが、ディレクターの自分に与えられた使命だと思っています。
AGS FASの特徴は、専門性に長けた優秀なメンバーたちが、専門分野にとらわれない視野を持って互いに影響し合っているところです。税務、財務、バリュエーション、PMIなど、多くの実務を経験して培った己の専門性を、次の仕事に全力で投入する。チーム内のコミュニケーションがオープンなので、各自のスキルが相乗効果で良い結果を生み出す。それぞれが刺激し合い、さらなる向上心を持って高みを目指していく。経験の少ないメンバーであっても飛躍的に成長していけるのは、そうした環境があるからです。己の殻を破って高いレベルで成長していきたい、クライアント、引いては日本経済を成長させていきたいと考えている人は、ぜひ一緒に、さらに上を目指していきましょう。